
カタカムナウタヒ第9首「アメノトコタチ クニトコタチ アメクニカ ソコソギタチ カタカムナ マノトキココロ トコタチ」は、宇宙の根源的な秩序を示す極めて神聖な詩です。
天地の創成を象徴する神々「天之常立神(アメノトコタチノカミ)」と「国之常立神(クニノトコタチノカミ)」の名が含まれ、宇宙の始まりと、霊と形の調和によって成立する“永遠の立ち姿”を詠んでいます。
この記事では、カタカムナの思想を踏まえつつ、第9首の構成や各語の意味、神話との関係、そしてスピリチュアルな祈りとしての実践方法までを詳しく解説します。天地開闢の本質を言霊で感じ取る一首です。
宇宙から神々、科学に至るまで、古代人の英知が詰まったカタカムナの内容をもっと知り、人生をもっと豊かで意味あるものにしませんか?
カタカムナとは何か
カタカムナとは、古代日本に存在したとされる高次の知恵体系であり、宇宙や生命の根源を“言霊”と“形霊”によって表したものです。
その教えは、音(振動)こそがすべての存在を生み出し、形を与えるという宇宙観に基づいています。カタカムナ文献に描かれた円と線の図象は、万物のエネルギー循環を示しており、現代の量子論とも通じる“波動的世界観”を伝えています。
「カタカムナ」という言葉は、「カタ=形」「カム=神」「ナ=中心・調和」を意味し、神の力が形となって現れ、宇宙が調和する仕組みを指します。
その思想を言霊の響きで表現したのが「カタカムナウタヒ」であり、全81首からなる祈りの歌は、宇宙の誕生から生命の循環、そして意識の統合までを詩として伝えています。
カタカムナウタヒ第8首の内容と9首へのつながり
カタカムナウタヒ第8首の全文は次の通りです。
第1首から第7首までで、宇宙の生成(カタカムナの響き)から神々の顕現、天地の秩序と流動が描かれてきました。
第8首では、その創造の流れの中に「人(ヒト)」の存在と「トキ(時)」の働きが現れ、宇宙の中に“意志ある生命”が生まれる段階が示されています。これは、生命の誕生と時間のはじまりを象徴する詩でもあります。
カタカムナウタヒ 第9首の全文と構成
カタカムナウタヒ 第9首の全文は次の通りです。
アメノトコタチ クニトコタチ アメクニカ ソコソギタチ カタカムナ マノトキココロ トコタチ
この詩は、宇宙の根源である“天(アメ)”と“地(クニ)”の秩序が確立し、天地の循環が始まる瞬間を象徴しています。
日本神話においても、天地開闢(てんちかいびゃく)に最初に現れた神として「天之常立神」と「国之常立神」が記されており、カタカムナの第9首はその神名を直接に含む点で、宇宙創造の根源を詠んだ極めて重要な詩といえます。
カタカムナウタヒ 第9首の各語の意味と解釈
「アメノトコタチ」
「アメノトコタチ」は、「アメ=天」「トコ=常」「タチ=立つ」という言霊の連なりであり、“永遠に立ち続ける天の根源”を意味します。
ここでの「アメ」は単なる空や天上ではなく、霊的・波動的な高次空間を指します。すなわち、「アメノトコタチ」とは宇宙の最も根源的なエネルギー層、変わることなき“霊の法則”の象徴です。
「クニトコタチ」
「クニトコタチ」は、「クニ=地」「トコ=常」「タチ=立つ」で、“地における不変の原理”を示します。これは、形を持ち、現象として現れる世界の基盤となる働きを意味し、アメノトコタチの“霊的原理”と対を成しています。「国之常立神」という神様の名前です。
この「天」と「地」の二柱が存在することで、宇宙はバランスと秩序を得るのです。
「アメクニカ」
「アメクニカ」は、「アメ」と「クニ」が「カ=交わる・融合する」という意味を持ち、“天地の合一”を表します。ここで宇宙は初めて“陰と陽”を内包し、創造と循環の流れを生み出す状態に入ります。
「ソコソギタチ」
「ソコソギタチ」は、「ソコ=底(根源)」「ソギ=削ぎ・清め」「タチ=立つ」という構成で、“根源が清まり、立ち上がる”ことを意味します。天地の混沌が整い、神の意志が形をとって顕現していく過程を象徴します。ここには、宇宙が秩序をもって動き始める瞬間の“清浄なる立ち上がり”が表現されています。
「カタカムナ」
「カタカムナ」は、宇宙全体の調和を司る根源の法。
「マノトキココロ」
「マノトキココロ」は、「マ=真」「ノ=の」「トキ=時」「ココロ=意識」を意味し、“真なる時の心”という表現で、時間の流れそのものが意識によって生まれるという原理を示しています。
つまり、宇宙の“時間”とは物理的なものではなく、意識の働きによって現れる神的現象であるということです。
「トコタチ」
そして最後の「トコタチ」は、「常に立つ」「常住不変」を意味し、宇宙の法則が永遠に続くことを讃えています。
第9首全体は、天地の秩序、時間の誕生、意識の覚醒を一体として表現した“宇宙の根源詩”であり、生命の根を詠む祈りの言葉なのです。
カタカムナウタヒ 第9首が示す世界観
第9首の世界観は、「永遠の秩序と調和」にあります。
宇宙のはじまりは混沌ではなく、初めから“整った理(ことわり)”が存在し、それがアメノトコタチ・クニトコタチという二柱の働きによって支えられているという思想です。
アメ(天)は霊的次元、クニ(地)は物質的次元を象徴し、この両者が共鳴することで世界は絶えず創造と再生を繰り返します。
つまり、人間を含むあらゆる存在は、この“天と地の共鳴”の中に生かされており、その中心に「カタカムナ(調和の原理)」が常に息づいているのです。
さらに「マノトキココロ」という言葉が示すように、時間とは外側にあるものではなく、意識によって感じ取られる“内的宇宙”の現象です。
この第9首は、外なる宇宙と内なる心が同じ原理で動いていることを教えています。人の心が乱れれば、世界も乱れる。心が整えば、天地も静まる。――それが「トコタチ(常に立つ)」の真意であり、変わらぬ秩序を保つ祈りの象徴です。
スピリチュアルな活用と祈り方
第9首は、「天地の調和を取り戻したい時」「不安や混乱の中で心の軸を整えたい時」に唱えると良いとされています。
この詩の響きは、心の中にある“中心軸”をまっすぐにし、魂と宇宙のリズムを同調させる効果があると伝えられています。
唱えるときは、まず深呼吸をして静かに心を落ち着かせます。
「アメノトコタチ クニトコタチ…」と唱える際には、自分の身体を天地の間に立つ“柱”としてイメージします。天から光が降り、地から力が湧き上がり、その二つが胸の中心でひとつに結ばれる感覚を意識します。
「カタカムナ マノトキココロ トコタチ」と唱える時には、自分の心が時間とともに広がり、静寂の中で永遠の秩序とつながるイメージを持ちます。
この詩は、外の世界を変えるのではなく、“内なる宇宙”を整えることで外界が自然と調和していく――そんな本質的な祈りの言葉です。
まとめ
カタカムナウタヒ第9首「アメノトコタチ クニトコタチ アメクニカ ソコソギタチ カタカムナ マノトキココロ トコタチ」は、宇宙の根源的な秩序と、天地を貫く法則を詠んだ神聖な詩です。
「アメノトコタチ」と「クニトコタチ」は、霊と形の二極を象徴し、「アメクニカ」はその統合、「ソコソギタチ」は浄化と顕現、「マノトキココロ」は意識と時間の統合を意味します。
この詩を唱えることは、心の中に宇宙の柱を立て、永遠の調和を思い出す行為です。
それは、外界の混乱の中にいても変わらぬ“トコタチ(常立つ)”精神を取り戻すこと――すなわち、天地と共に生きる真の静けさを得る祈りなのです。
カタカムナの内容をもっと知り、ただ唱えるだけ、聞き流すだけではない効果に近づいてみませんか?