茅の輪くぐりでやってはいけないこと|どちらの足から出す?3回まわる理由と唱える言葉

茅の輪くぐりでやってはいけないこと|どちらの足から出す?3回まわる理由と唱える言葉

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祓え給い、清め給え

茅の輪くぐりで、やってはいけないことが一つあります。輪から茅を抜いて持ち帰ることです。

茅の輪は、くぐった人の穢れを引き受けるために置かれています。その茅を持ち帰れば、他人の穢れも一緒に持ち帰ることになります。昔は抜いて持ち帰って小さな輪を作る風習もありましたが、現在ほとんどの神社がこれを控えるよう案内しています。

このページでは、やってはいけないこと、どちらの足から出すのか、3回まわる理由、間違えたときの対応、何時にくぐればよいか、翌日もくぐれるのかを、迷いやすい順に答えていきます。

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茅の輪くぐりとは

項目内容
読みちのわくぐり
何をするのか茅(ちがや)で編んだ大きな輪をくぐり、半年分の穢れを祓います
時期6月30日前後の夏越の大祓、12月31日前後の年越の大祓
設置される場所参道、鳥居の下、拝殿の前など。神社によって違います
設置期間数日から1か月ほど。6月中旬から7月初めに置く神社が多いです
費用無料です。授与品の茅の輪守は有料の場合があります
起源備後国風土記の逸文に伝わる蘇民将来の説話

やってはいけないこと

避けること理由
茅を抜いて持ち帰る輪はくぐった人の穢れを引き受けています。持ち帰ると他人の穢れも持ち帰ります
輪に手をついたり寄りかかる祓いの祭具です。支えにする物ではありません
またいで越えるくぐるものです。輪の下端が高い場合でも、足で越えずに身をかがめて通ります
輪の中で立ち止まって撮影する後ろの人が待ちます。撮影は輪の外から行います
急いで駆け抜ける祓いの動作です。歩く速さで通ります
穢れを祓う前に拝殿へ行く輪は拝殿の前に置かれることが多く、先にくぐってから参拝するのが順序です

このうち厳密な決まりとして案内されているのは、最初の一つです。残りは混雑する場での配慮と、祭具の扱いとしての常識にあたります。

なお、茅の輪守として小さな輪を授与している神社があります。持ち帰りたい場合は、こちらを受けるのが正しい形です。

くぐり方の手順

順動き
準備手水舎で手と口を清めます
1回目輪の正面で一礼し、左足から入って左に回り、正面に戻ります
2回目一礼し、右足から入って右に回り、正面に戻ります
3回目一礼し、左足から入って左に回り、正面に戻ります
最後一礼して輪をくぐり、そのまま拝殿へ進んで参拝します

通った跡が「8」の形になります。左、右、左の順で回るのが一般的ですが、神社によって案内が異なります。立て札や社務所の説明があれば、そちらに従ってください。

どちらの足から出すのか

よく尋ねられる点です。一般には、左に回るときは左足から、右に回るときは右足から入ります。

理由は、回る向きに体が自然に向くからです。左に回るのに右足から踏み出すと、体をひねることになります。作法として左足に意味があるというより、動きの筋が通る形が作法として定着したと考えるのが素直です。

神社の案内に足の指定がないことも多く、その場合は気にしなくて構いません。

なぜ3回なのか

3回という回数について、神社が公式に理由を示していることはほとんどありません。考えられている説を並べます。

説内容
奇数を尊ぶ陰陽の考え方で、奇数は陽の数です。3、5、7が祝い事に使われます
念入りに祓う1度では足りず、重ねることで深く祓うという理解です
左右の均衡左に回って右に回り、また左に回ることで偏りを戻すという見方です
歌を3首唱える3回それぞれで異なる歌を唱える神社があり、その数に合わせたという説です

なお、1回だけくぐる形を案内している神社もあります。回数そのものが全国共通の決まりではありません。

唱える言葉

くぐりながら唱える歌が定められている神社があります。もっとも広く使われるのが次の歌です。

「思ふ事 皆つきねとて 麻の葉を 切りに切りても 祓へつるかな」

読みは「おもうこと みなつきねとて あさのはを きりにきりても はらへつるかな」です。思い悩むことがすべて尽きるように、麻の葉を細かく切って祓いました、という意味になります。

もう一首、よく使われるものがあります。

「水無月の 夏越の祓 する人は 千歳の命 延ぶといふなり」

読みは「みなづきの なごしのはらへ するひとは ちとせのいのち のぶというなり」です。夏越の祓をする人は千年の寿命が延びるという、拾遺和歌集に見える歌です。

歌を唱えない神社も多くあります。その場合は「祓へ給ひ清め給へ」と心の中で唱えれば十分です。

間違えたときはどうするか

回る向きを間違えた、足を逆にした、数を数え違えた。こうしたときに祓いが無効になることはありません。

気になるなら、もう一度正面に戻って最初からくぐり直せば構いません。混雑していて戻れない場合は、そのまま拝殿へ進み、参拝のときに心の中で詫びを添えれば十分です。

作法は祓いを成立させるための条件ではなく、祓いに向かう姿勢を整えるためのものです。手順を気にして体が固くなるより、ゆっくり通るほうが趣旨に合っています。

何時にくぐればよいか、翌日もくぐれるのか

疑問答え
何時にくぐるのがよいか時間の決まりはありません。社務所が開いている日中が安心です
夜でもよいか境内に入れる神社なら可能です。足元が暗く段差が見えにくいので注意してください
大祓の当日でなくてよいか構いません。輪が置かれている期間中はいつでもくぐれます
翌日もくぐれるか輪が残っていればくぐれます。多くの神社は数日から数週間置いています
何度もくぐってよいか問題ありません。期間中に何度訪れても構いません
家族の分をまとめてくぐれるかできません。一人ずつくぐります。来られない家族のためには人形(ひとがた)を納める方法があります

大祓式そのものに参列したい場合は、日時が決まっています。6月30日と12月31日の夕方に行う神社が多く、こちらは事前の確認が必要です。

茅の輪がある神社の探し方

全国の神社で行われますが、すべての神社に輪が置かれるわけではありません。探すときの手がかりを挙げます。

手がかり内容
スサノオを祀る神社蘇民将来の説話に関わるため、設置される可能性が高いです。八坂神社系、素盞嗚神社、津島神社など
規模の大きい神社社務所が常駐している神社では設置されることが多いです
地域の総社や一宮大祓を定例で行っているため、輪が置かれます
神社庁への問い合わせ各都道府県の神社庁で、地域の情報を教えてもらえます

起源は蘇民将来の説話

『備後国風土記』の逸文に伝わる話が起源とされます。

武塔神(むとうのかみ)が旅の途中で宿を求めたところ、裕福な弟の巨旦将来は断り、貧しい兄の蘇民将来が粗末ながらもてなしました。数年後に戻った武塔神は、蘇民将来の家族に茅の輪を腰につけさせ、疫病から守ったと伝えられます。

この武塔神は、自らを「速須佐能雄(はやすさのお)の神」と名乗ります。スサノオと牛頭天王が習合していく流れの中で、祇園社の信仰と結びついていきました。

ここで注目したいのは、もとの説話では輪を「腰につけた」と書かれていることです。くぐる大きさの輪ではありません。身につける小さな輪でした。

筆者の考察

腰につける輪が、人がくぐる大きさの輪に変わった。この変化が茅の輪くぐりのいちばん面白いところだと筆者は考えます。

身につける守りは、持っている本人だけを守ります。くぐる輪は、通る人すべてを祓います。輪の大きさが変わったことで、守りの道具が公共の装置に変わったことになります。

そう考えると、茅を抜いて持ち帰ってはいけない理由もはっきりします。公共の装置から部品を持ち去る行為だからです。持ち帰りたいなら、自分用の小さな輪を受ける。これは説話の形に戻ることでもあります。

もう一つ。蘇民将来の説話で武塔神が助けたのは、もてなした側でした。宿を貸した見返りに輪が与えられています。つまりこの輪は、何かをした人への返礼として渡されたものです。

半年ぶんの穢れを祓う輪を、誰でも無料でくぐれる場所に置くという現在の形は、その返礼を全員に開いたものと読めます。年に二度、条件なしで祓いを受けられる仕組みが参道に立っている。そう思うと、くぐる足取りも少し変わってきます。

よくある質問

茅の輪くぐりでやってはいけないことは何ですか

輪から茅を抜いて持ち帰ることです。輪はくぐった人の穢れを引き受けているため、持ち帰ると他人の穢れも持ち帰ることになります。手をついたり、またいで越えたり、輪の中で立ち止まって撮影することも避けてください。

どちらの足から入りますか

左に回るときは左足、右に回るときは右足が一般的です。神社の案内に指定がなければ気にしなくて構いません。

なぜ3回まわるのですか

公式な理由は示されていません。奇数を尊ぶ陰陽の考え方、重ねて念入りに祓うという理解、左右の偏りを戻すという見方などが挙げられます。1回だけとする神社もあります。

間違えたらどうすればよいですか

祓いが無効になることはありません。気になるなら正面に戻ってくぐり直し、混雑していればそのまま拝殿へ進んで構いません。

何時にくぐればよいですか

時間の決まりはありません。社務所が開いている日中が安心です。夜でも境内に入れる神社ならくぐれますが、足元に注意してください。

翌日もくぐれますか

輪が置かれている期間中はくぐれます。多くの神社で数日から数週間設置されています。何度くぐっても構いません。

唱える言葉は何ですか

「思ふ事 皆つきねとて 麻の葉を 切りに切りても 祓へつるかな」が広く使われます。「水無月の 夏越の祓 する人は 千歳の命 延ぶといふなり」も用いられます。歌を定めていない神社では「祓へ給ひ清め給へ」で十分です。

いつ行われますか

6月30日前後の夏越の大祓と、12月31日前後の年越の大祓です。輪は6月中旬から7月初めにかけて設置される神社が多くあります。

まとめ

茅の輪くぐりで避けるべきは、茅を抜いて持ち帰ることです。くぐり方は左、右、左と8の字に3回まわり、最後に輪をくぐって拝殿へ進みます。間違えても祓いは成立します。

時間の決まりはなく、輪が置かれている期間中は何度でもくぐれます。

起源の説話では、茅の輪は腰につける小さなものでした。それが人がくぐる大きさになり、参道に置かれて誰でも通れるようになりました。年に二度、条件なしで半年分の穢れを下ろせる場所が、神社の入口に立っています。

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祓え給い、清め給え

「祓え給い、清め給え、神ながら守り給い、幸え給え」の語源・歴史・実践法をさらに深く知りたい方へ。

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日本神話と歴史
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