
カタカムナウタヒ第4首「イハトハニ カミナリテ カタカムナ ヨソヤコト ホクシウタ」は、宇宙のエネルギーが動き出し、天地が響き合う瞬間を象徴する詩です。
第1首から第3首までで示された創造・顕現・秩序に続き、第4首では「カミナリ(神鳴り)」すなわち“神の力が鳴り響く”段階が描かれています。
この詩は、天地のエネルギーが循環し、生命が息づくリズムを表現するものであり、「ホクシウタ(生命の歌)」として宇宙と一体になる祈りの言葉ともされています。
この記事では、第4首の構成、各語の意味と解釈、カタカムナ思想における宇宙観、そしてスピリチュアルな活用法までを詳しく解説します。
宇宙から神々、科学に至るまで、古代人の英知が詰まったカタカムナの内容をもっと知り、人生をもっと豊かで意味あるものにしませんか?
カタカムナとは何か
カタカムナとは、太古の日本に存在したとされる高次文明の叡智を象徴する言霊体系です。その記録は「カタカムナ文献」と呼ばれ、円と直線による独特の図象文字で書かれています。そこには、宇宙・生命・意識の成り立ちを音の響きとして伝える原理が込められています。
カタカムナ思想の基本は「すべての存在は“カム”という潜在的エネルギーから“カタ”という形に顕れる」という法則です。
「カタカムナ」という言葉は「形(カタ)と神(カム)が調和し、中心(ナ)を成す」ことを意味します。すなわち、見える世界と見えない世界がひとつながりであるという宇宙観を表しています。
カタカムナ 第3首からのつながり
カタカムナウタヒ第3首は次の通りです。
短い言葉の中に、天地の秩序が整い、生命の法則が形を成していく瞬間が凝縮されています。
第1首が宇宙の生成を、第2首が神の顕現を示していたのに対し、第3首は“宇宙の秩序が宿る意志”を表しています。
ここに登場する「フトタマノミコト」は、『古事記』や『日本書紀』にも登場する神名「太玉命・布刀玉命(ふとだまのみこと)」と重なります。太玉命(布刀玉命)は、天岩戸の神話で神事を司る神として登場し、祈りと儀式によって神と人をつなぐ役割を果たしました。カタカムナにおける第3首も、同様に神意をうつし、秩序を生む神の力を象徴しています。
第3首について詳しくは以下の記事で。
第4首の全文と構成
第4首の全文は次の通りです。
イハトハニ カミナリテ カタカムナ ヨソヤコト ホクシウタ
この詩は、天地の響きが交わり、物質世界にエネルギーが流れ込む瞬間を描いています。第1首から第3首までで示された「宇宙の創生」「神の顕現」「秩序の成立」に続き、第4首は“動き出した世界の鼓動”を象徴しています。
特に「カミナリテ」という言葉が示すように、エネルギーの放出・変換・統合がテーマであり、宇宙が動的に変化する法則を讃える詩といえます。
各語の意味と解釈
「イハトハニ」
「イハトハニ」は、「イ=息吹」「ハ=発」「ト=止」「ハニ=埴(土)」を組み合わせた表現であり、天地創造における“生命の息吹が土に宿る”段階を象徴します。古代では“イハトハ”の響きは生成と固化、動と静のバランスを示し、宇宙の力が物質に定着する瞬間を意味していました。
「カミナリテ」
「カミナリテ」は、「カミ(神)」「ナリテ(成りて)」であり、「神が成る」「神のエネルギーが顕現する」ことを表します。ここでの“雷”は単なる自然現象ではなく、天地を貫くエネルギーの象徴であり、霊的な覚醒と生命の躍動を同時に示しています。
「カタカムナ」
「カタカムナ」は、宇宙全体の響きと秩序の中心を意味し、第1首から引き継がれる“根源の調和”を再び呼び覚ます言葉です。この詩では、エネルギーの奔流の中でも宇宙の中心原理が失われず、全体が調和に包まれていることを表現しています。
「ヨソヤコト」
「ヨソヤコト」は、「ヨソ=外八(外に広がる)」「ヤコト=八つの言葉・現象」を意味し、宇宙の根本法則が八方向に展開し、万物を形成することを示します。この「八」は古代日本において“無限・全方位”を表し、神の力が世界の隅々に行き渡ることを象徴します。
「ホクシウタ」
最後の「ホクシウタ」は、「ホク=発く(ほとばしる)」「シ=統べる」「ウタ=響き・祈り」と解釈されます。すなわち、「宇宙の生命エネルギーがほとばしり出て、万物が響き合う歌」としての祈りの姿を表しています。これにより、第4首全体が「天地の響きが結び合い、生命が歌い始める瞬間」を象徴していることがわかります。
カタカムナウタヒ 第4首が示す世界観
第4首が示す世界観は、静的な創造から動的な展開への転換です。宇宙の秩序(フトマニ)が形を持ち、神の力(カミナリ)が流れ、現象世界が誕生します。この瞬間こそ、「天地開闢(てんちかいびゃく)」の本質であり、音と光、形と力が融合する“生命の響き”が生まれる場面です。
ここで描かれる「雷(カミナリ)」は破壊ではなく生成の象徴です。天地を貫く電のようなエネルギーが、物質の原初に働きかけ、眠っていた命を呼び覚ます。カタカムナ思想では、雷は“神鳴り”とも書かれ、神そのものが鳴り響くこと、すなわち「神の言葉=宇宙の振動」を意味しています。
第4首は、自然界のあらゆる現象を単なる物理現象としてではなく、神の呼吸、宇宙の声として捉える視点を教えています。それは現代の科学にも通じるエネルギー論であり、物質と意識の一体性を象徴する詩なのです。
第5首へのつながり
第5首は以下のようになっています。
この短い言葉に、カタカムナが説く宇宙の原理や生成、そして形ある世界の仕組みが凝縮されています。以下、それぞれの言葉の意味を解釈していきます。
スピリチュアルな活用と祈り方
カタカムナウタヒ第4首は、変化・発展・再生のエネルギーを受け取りたいときに唱えると良いとされています。
日々の生活の中で滞りを感じたとき、また新しい段階に進もうとする時期に、この詩を唱えることで意識の流れが整い、潜在的な力が動き出すといわれています。
唱える際は、深い呼吸とともに「イハトハニ カミナリテ…」の音をゆっくり響かせ、身体の内に“雷のような光”が通り抜けるイメージを持ちます。声に出さず心の中で唱えてもよく、その響きが体内の細胞やエネルギーを共鳴させるように意識します。
また、「ヨソヤコト ホクシウタ」と唱える際には、自分の内なる光が八方に広がっていくような感覚を大切にします。これによって、自分自身の中心(ナ)と宇宙の中心(カタカムナ)が共鳴し、心身ともに調和が訪れるとされています。
まとめ
カタカムナウタヒ第4首「イハトハニ カミナリテ カタカムナ ヨソヤコト ホクシウタ」は、天地の響きと生命の覚醒を象徴する詩です。
“雷(カミナリ)”は神の力が動き出す象徴であり、静から動への転換点。宇宙のリズムが万物に命を吹き込む瞬間を言霊として表しています。
この詩を唱えることで、内なる停滞が解かれ、自然の流れと再び調和する感覚を取り戻すことができるでしょう。
それは単なる祈りではなく、“生命が宇宙と共に歌う”という感覚を体験するための響き――まさに「ホクシウタ(生命の歌)」そのものなのです。
カタカムナの内容をもっと知り、ただ唱えるだけ、聞き流すだけではない効果に近づいてみませんか?