古神道とは?いつからあったのか、神社や神道との違い

古神道とは、仏教や儒教が日本に伝来する以前から存在していた、日本本来の信仰形態です。自然そのものに神が宿るとする素朴で精神的な宗教観は、現代の神社神道とは異なる多くの特徴を持ちます。この記事では、古神道がいつからあったのか、現在の神道や神社との違い、天津神と国津神の関係、そして古神道が持つ独自の価値観について詳しく解説します。また、江戸時代の国学における研究や、近年再評価されつつある古神道の意義についても触れながら、日本人の精神の源流をたどります。

古神道はいつから存在したのか

古神道(こしんとう)がいつ成立したかについて明確な時期を特定することは困難ですが、少なくとも弥生時代から存在していたと考えられています。古墳時代に至ると、神々への祭祀は豪族の権力の正統性を支える儀礼として体系化され、やがて『古事記』や『日本書紀』などに記された神話体系へとつながっていきます。これらの神話もまた、古神道の世界観をもとに編纂されたものであるとされており、国家的な宗教制度としての神道とは一線を画すものです。

神社神道と古神道の違い

現在私たちが目にする神社神道は、奈良時代以降、仏教との融合(神仏習合)や国家神道としての体制整備を経て成立したものであり、祭祀の形式や教義が制度的に整えられています。一方、古神道はより素朴で実践的な信仰であり、自然の山や川そのものを神とし、社殿を持たない祠や磐座(いわくら)、神籬(ひもろぎ)などで神を祀ることが中心でした。このような自然信仰は、現代でも各地の山岳信仰や修験道の中にその痕跡をとどめています。

古神道と神社神道の主な違いはこちらです。

項目 古神道 神社神道
成立時期 仏教伝来以前(弥生〜古墳時代) 奈良時代以降
教義・体系 明文化されていない 法律や教義体系が存在
神の宿り方 自然物そのものに神が宿る 神体を社殿に祀る形式
祭祀の場所 磐座・神籬・自然環境 神社境内・拝殿
外来思想との関係 無関係(純日本的) 仏教・儒教などと習合して発展

国津神と天津神の関係と古神道的理解

古神道では、神々は「天津神(あまつかみ)」と「国津神(くにつかみ)」に分けて捉えられます。

天津神は天上の高天原から降臨した天孫系の神々で、国家や統治の正統性を象徴します。一方で国津神は元々この地に根差していた地祇であり、地方の自然神や土着神を表します。古神道では、どちらが優れているという考え方は存在せず、天津神と国津神は共に世界を構成する重要な存在として尊重されていました。

しかし、国家神道においては天津神を中心に据える傾向が強くなり、国津神はしばしば脇役的な扱いを受けるようになりました。

古神道は現代の神道よりもアニミズム的な要素が強い

古神道は、現代の神道に比べてアニミズム的な要素が非常に強いという特徴があります。アニミズムとは、山・川・木・岩・風・火など、自然界のあらゆる存在に霊的な力や神が宿るとする考え方であり、古代日本人の信仰の根幹を成していました。古神道では、特定の神社や社殿に神を祀るのではなく、自然そのものを神聖なものとして敬い、神籬(ひもろぎ)や磐座(いわくら)など、人工物を介さずに神と対話する場が重視されました。これは、神の存在を制度や形式にとらわれず、日常の自然の中に感じ取ろうとする感性に根ざしています。

対して現代の神道では、祭祀の形式が整えられ、神社という建築空間の中に神体を安置することで神聖性を具現化する傾向が強くなりました。古神道のアニミズム的世界観は、自然と共に生きるという日本人の感性や生活様式の根底に今もなお息づいており、自然災害や環境問題に直面する現代において再び注目されています。

古神道と神道で異なる考え方の事例

古神道では、死や穢れを忌避するものの、それを必要以上に隔離するという発想は薄く、むしろ自然の一部として受け入れる姿勢が見られました。神道や日本神話で特徴的なのが、黄泉の国に行ったイザナミに会いに行き

また、神々を分類し体系化することよりも、日常の中に神が宿るという感覚が重視されており、個人の内面や直観による神の感得が重んじられていました。対して神道では、律令制度に基づく祭祀体系や、天皇制と結びついた儀礼の整備が進み、形式的な側面が強くなったといえます。

神道と古神道の死に対する捉え方の違い

現代の神道においては、死や穢れに対して非常に慎重な態度が取られており、忌み遠ざける性質が強く表れています。これは『古事記』におけるイザナギの神話に起源があります。妻イザナミが死後に黄泉の国へ行き、イザナギがそれを追って訪れるものの、その姿を見たことで強い穢れを感じ、黄泉の国から逃げ帰って禊(みそぎ)を行ったという物語が、死を穢れと捉える神道の世界観に大きく影響を与えました。

そのため、現代の神社神道では、身内に不幸があった場合、一定期間(一般には50日)神社への参拝を控える「喪中参り禁止」の習わしがあります。

これは神域に死の穢れを持ち込まないための配慮とされており、死を日常の生活から隔離しようとする傾向が強いのです。一方、古神道では死や穢れを忌避する意識はあっても、それを自然の一環として受け入れる姿勢が見られました。死もまた神々と共にある存在であり、極端に隔離するのではなく、祖霊信仰のように尊敬や敬意を込めて向き合う態度が重視されていたのです。

仏教的な思想の影響や神仏習合を経て、神社は現世、死後はお寺というような、役割分担がなんとなく広まってしまっていますが、仏教や儒教の思想の影響を受けていない古神道の時代には、人が亡くなったら仏様になるというわけではなく、人が亡くなったら隠れて私たちを見守っているというというようなもので、神聖ではありますが身近な存在として先祖もあまたいる神様の仲間入りするというような価値観でした。

国学と古神道の関係、現代における再評価

江戸時代には、本居宣長平田篤胤といった国学者たちが古神道の思想を再評価しました。彼らは中国の思想や仏教が日本の本来の精神を覆っていると考え、古典に立ち返ることで「まことの道」を見いだそうとしました。特に平田篤胤は、霊魂観や死後の世界観、神々との直接的な交流を説き、古神道の神秘的な側面に深く傾倒しました。

現代においても、古神道は日本人の精神性や自然観の原点として見直されつつあります。災害や社会の分断が進む中で、自然との共生や目に見えないものへの畏敬といった古神道的価値観が、今一度注目されているのです。

古神道の時代は宗教的な要素が少なかった

古神道の時代には、いわゆる「宗教」としての体系的な教義や教団、戒律のようなものは存在していませんでした。古神道は、日常生活と密接に結びついた自然信仰や祖霊崇拝が中心であり、特定の教えを説いて人々を導くというよりも、暮らしの中で自然とともに神々を感じ、祭りや祈りを通して神とつながるという、素朴で実践的な信仰形態でした。

仏教や儒教道教のように教典や修行の体系が整っているものとは異なり、古神道では「信じるべき教義」よりも「共に生きる自然」や「祖先とのつながり」が重視されていたのです。そのため、古神道は制度化された宗教というよりも、むしろ生活文化や精神風土として受け継がれてきたものであり、人々の暮らしの延長線上に神の存在があるという世界観が特徴でした。

まとめ

古神道は、制度としての宗教ではなく、日本人の暮らしや感性の根底にある「祈り」の原型です。現代の神社神道と比較することで、その素朴さや精神性の高さがより鮮明になります。外来思想から独立した「純神道」としての古神道を学び直すことは、日本人の原点を見つめ直すことであり、今を生きる私たちにとっても大きな意味を持つのではないでしょうか。

 

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