天地初発とは?日本の創世記、天地初発之時、古事記より

日本の古代文化と神話の世界は、古事記をはじめとする歴史文献によって今に伝えられています。特に「天地初発」は、日本の創世記において極めて重要な概念です。この記事では、古事記に記された天地初発の時から始まる日本の神話世界を探ります。

天地初発の読み方

天地初発は、「てんちしょはつ」という読み方をします。

天地初発の意味

天地初発とは、文字通り「天地が始まった時」を意味します。古事記においては、この世界がどのようにして始まり、最初の神々がどのようにして現れたのかを説明しています。これは、日本の文化や歴史を理解する上で基礎となる考え方です。

天地初発に関する古事記の内容

天地あめつち初はじめて発おこりし時ときに、高天原たかあまのはらに
成なる神かみの名なは、天之御中主神あめのみなかぬしのかみ。[訓高下天云阿麻。下效此]

次つぎに高御産巣日神たかみむすひのかみ。次に神産巣日神かむむすひのかみ。
此この三柱みはしらの神かみは、並なみ独ひとり神がみと成なり坐まして、身みを隠かくしき。

次に国稚くにわかく浮うかべる脂あぶらのごとくして、久羅下那州多陀用弊流くらげなすただよへる之時ときに、[流字以上十字以音。]葦牙あしかびの如ごとく萌もえ騰あがる物ものに因よりて成なる神の名は、宇う摩ま志し阿あ斯し訶か備び比ひ古こ遅ぢの神かみ[此神名以音。]

次に天之常立神あめのとこたちのかみ。[訓常云登許、訓立云多知。]
此の二柱の神も、並独神と成り坐して、身みを隠かくしき。
上かみの件くだり五柱いつはしらの神は、別天神ことあまつかみぞ。

古事記における天地初発

古事記は日本最古の歴史書であり、約1300年前に編纂されました。古事記の冒頭では、天地が初めて現れた時、すなわち「天地初発」から物語が始まります。この段階で、最初の神々が現れ、宇宙の創造が始まったとされています。

神々の出現

天地初発に続き、古事記では多くの神々が次々と登場します。

最初に現れるのは天之御中主神、次いで高御産巣日神、そして神産巣日神が現れます。

これらの神々は、日本の神話における創造の段階で重要な役割を担っています。

古事記の神話と歴史の境界

古事記では、神話と歴史が一つの流れとして記述されており、どこからが歴史でどこまでが神話であるかを明確に区分けすることはできません。神々の時代から人間の時代へと徐々に移行していく様子が、古事記によって鮮やかに描かれています。

天地初発から学ぶこと

古事記の天地初発から始まる物語は、日本人の世界観や価値観に深く根差しています。宇宙や生命の始まりに関する神話は、日本独自の宇宙観を反映していると言えるでしょう。これらの物語を通じて、日本古来の文化や精神性を理解することができます。

古事記は、日本の文化や歴史に興味を持つすべての人々にとって、貴重な知識の宝庫です。天地初発の物語を始点として、古事記が紡ぎ出す神話の世界にぜひ足を踏み入れてみてください。