大山咋神とは?系図やご利益、大山祇神との違い、関連神社を徹底解説

大山咋神(おおやまくいのかみ)は、日本神話に登場する自然神で、山岳や農業の神として知られています。その名が示す通り、「山を杭(くい)のように守る」神として山や土地の守護に深く関わります。本記事では、大山咋神の系図や大山祇神との違い、祀られる神社、ご利益について詳しく解説します。

大山咋神の系図

大山咋神は、大年神(おおとしのかみ)を父神、天知迦流美豆比売(あまちかるみずひめ)を母神とする神とされています。大年神は農業や収穫の神として知られており、大山咋神もその流れを汲む神として山岳や農業を司っています。

大山咋神はまた、賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と同一神とされることがあります。これにより、賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社)と深いつながりを持つ神でもあります。

大山祇神との違い

大山咋神と大山祇神(おおやまづみのかみ)は、いずれも山に関わる神で、漢字で表記したときにとても似ているので同じ神様だと思われてしまうことがありますが、その役割や神話的背景には違いがあり、別々の神様です。

大山咋神

大年神の子であり、松尾神社、比叡山や日吉大社に祀られる山の守護神です。地域の土地や農業を守り、発展を促す神として信仰されています。

大山祇神

イザナギイザナミの子であり、山岳全体を司る総括的な神とされています。特に自然界全体の守護神としての性格が強く、瀬戸内海の大三島にある大山祇神社を中心に信仰されています。

このように、大山祇神が「山岳全体の総括神」であるのに対し、大山咋神は「土地や地域の山の守護神」として、より地域密着型の神格を持つ点が特徴です。

大山咋神のご利益一覧表

ご利益 内容
土地や山の守護 地域の山岳や土地を守護し、自然災害から守るご利益。
農業・収穫の繁栄 農業の発展や豊作、収穫に関連する祈願に効果があるとされる。
厄除け・家内安全 災厄を取り除き、家庭の平穏や安全を守るご利益。
商売繁盛 商業や事業の成功を支援するご利益。特に商人や事業主に信仰される。
縁結び 良縁を結び、調和の取れた人間関係を築くご利益。
交通安全 比叡山信仰を通じて、旅や移動の安全を守るご利益。
生命力・再生 山岳神としての性格から、生命の活力や自然の循環を促す力があると信じられている。

大山祇神を祀る神社

大山咋神は、松尾大社(神社)や日吉大社(神社)で祀られています。

まとめ

大山咋神は、山岳や土地を守護する神として日本各地で信仰されており、上賀茂神社・下鴨神社と共に京都で最古の神社と言われる松尾大社(神社)や、比叡山のふもとの日吉大社をはじめ、全国の松尾神社、日枝神社でその存在感を発揮しています。農業や収穫、厄除け、縁結びといった幅広いご利益をもたらす大山咋神は、地域社会や現代人の生活にも大きな影響を与える重要な神です。