上棟式とは?地鎮祭との違い・流れ・ご祝儀の相場・餅まきの意味 やらない場合の作法も解説

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家づくりの節目に行われる上棟式(じょうとうしき)。「棟上げ(むねあげ)」「建前(たてまえ)」とも呼ばれ、柱や梁が組み上がり、屋根の一番高い部材「棟木(むなぎ)」を上げるときに行うお祝いの儀式です。しかし最近は「やるべきか省略すべきか」「ご祝儀はいくら包むのか」と悩む施主さんが多いのではないでしょうか。
この記事では、上棟式の意味と由来、地鎮祭との違い、当日の流れ、ご祝儀・準備物の相場、餅まきの風習、そして「今の時代にやる意味があるのか」という問いへの筆者の考えまで、わかりやすく解説します。
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上棟式とは?意味を簡単に
上棟式とは、建物の骨組みが完成し棟木を上げる段階で、工事がここまで無事に進んだことへの感謝と、完成までの安全を祈願する儀式です。あわせて、家を建ててくれる大工さんや職人さんをねぎらう「お祝いの宴」という性格も持っています。
その歴史は古く、平安時代の貴族の邸宅造営で行われた「上棟の儀」にさかのぼるとされます。神主を招く地鎮祭と違い、上棟式は棟梁(とうりょう)が執り行うのが伝統で、大工の世界に受け継がれてきた職人の儀式という側面が強いのが特徴です。
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地鎮祭との違い
| 項目 | 地鎮祭 | 上棟式 |
|---|---|---|
| 時期 | 工事を始める前 | 骨組み完成・棟木を上げるとき |
| 祈る相手 | 土地の神様(氏神様・大地主神など) | 家の神様・工匠の神様(屋船久久遅命・手置帆負命ほか) |
| 目的 | 土地を使わせていただく許しと工事安全 | ここまでの感謝・完成までの安全・職人へのねぎらい |
| 執り行う人 | 神主 | 棟梁(神主を呼ぶ場合もある) |
ひとことで言えば、地鎮祭は「土地の神様へのご挨拶」、上棟式は「家そのものと職人さんへのお祝い」。祈る相手が違う、別の儀式なのです。
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上棟式の流れと準備するもの
一般的な上棟式の流れは次のとおりです(地域・工務店により異なります)。
費用の目安は、ご祝儀が棟梁に1〜3万円、職人さんに各3千〜1万円程度。飲み物・折詰・手土産などを含め、総額5〜15万円ほどが相場と言われます。ただし近年はご祝儀なし・お茶とお菓子だけの略式も一般的で、ハウスメーカーによっては上棟式自体を行わないことも増えています。金額より「感謝を形にする」ことが本質なので、無理のない範囲で構いません。
今は珍しくなった建前(たてまえ)

今はほとんど見なくなってしまいましたが、私が小さい頃、田舎の方に行くと新しい家を建っている時に「建前(たてまえ)」という行事があり、今思うと上棟式にあたり、大工さんが建物の上でお餅やお菓子、小銭などを投げて、それを近所の人たちが拾っていくというものでした。
ご近所付き合いということもありますし、新しい家にもたくさんの人が集まって和気あいあいとできるようにというご挨拶や近所の方に工事の騒音などで迷惑をかけたりしてしまうお詫びとお礼、まずはじめにたくさんの人に来てもらうことで「こけら落とし」的な意味もあったのではないかと感じます。
一度足を運んでもらうと2回目はずっと入りやすくなるので、田舎の方など地域の交流が多いところではとても良い風習だったのではないかと思います。子供ながらに今でもあそこのお家で建前に行ったなというのを覚えていて、懐かしくなります。
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餅まきはなぜするのか
上棟式名物の餅まきには、「災いを分散する」という意味があるとされます。家を建てるという大きな幸運は、妬みや災いを呼び込みかねない、そこで餅やお金という福をご近所に分けることで、厄も一緒に分散し、地域に「おすそ分け」の縁を作ったのです。新しい家がご近所付き合いの中に迎え入れられる、地域コミュニティへのデビュー儀式でもありました。
また、棟に立てる破魔矢は鬼門からの災いを射抜くため、幣束は神様の依り代として家をお守りいただくためのもの。屋根裏に幣束が残っている古い家は、上棟式の記憶を今も静かに抱えているのです。

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上棟式のよくある質問
服装はどうすればいい?
普段着で構いませんが、工事現場に入るため動きやすく汚れてもよい服装と安全な靴を。挨拶の場でもあるので、清潔感があれば十分です。
雨が降ったら中止?
小雨なら決行されることが多く、「降り込む雨は福を呼び込む」として雨の上棟をむしろ縁起が良いとする言い伝えもあります。日程は工務店と相談しましょう。
式をしない場合、差し入れだけでも失礼にならない?
まったく失礼にあたりません。棟上げの日に飲み物やお菓子を差し入れ、一言お礼を伝えるだけでも、職人さんには十分に気持ちが伝わります。大切なのは形式ではなく感謝の表明です。
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今どき上棟式はやるべき?筆者の考察
「上棟式は省略してもいいですか」という問いに、筆者は「儀式の形は省略しても、その日に込められた二つの心は残す価値がある」と答えたいと思います。
一つは、職人さんへの感謝です。どれほど工業化が進んでも、家を組み上げるのは人の手です。棟が上がった日に、作り手に直接「ありがとうございます、よろしくお願いします」と伝える機会は、施主と職人の関係を確実に変えます。心を込めて建てられた家は、それだけで少し良い家になる──これは迷信ではなく、人の仕事の現実でしょう。
もう一つは、家に宿るものへの敬意です。日本では家もまた、神様の宿る場所と考えられてきました。八百万の神の世界観では、長く住む家には魂が通います。棟上げの日に手を合わせることは、これから何十年を共にする「家」との最初の対話なのです。正式な儀式でなくても、缶コーヒーの差し入れと、棟の前での一礼だけでも、その心は十分に形になります。
私自身がマイホームを建てた時には、工務店さんに相談したところほとんどの人が上棟式を大々的には行わないという話を聞きました。地鎮祭についても、こだわる人はやっていますが、地鎮祭を行わない施主も増えているとのことでした。最近は建売住宅なども増えているのでその場合には地鎮祭も上棟式も行わずに進めているという話もあったので、それだと大工さんも張り合いがなさそうな気がして、お茶菓子と飲み物を差し入れして感謝の気持ちをお伝えしました。上棟式としては行いませんでしたが、棟梁はお清めと祈願を一緒にいる大工さんたちとやってくれているようでした。私としてはとても嬉しく頼もしく感じたことを覚えています。

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まとめ
上棟式は、骨組み完成の節目に感謝と完成までの安全を祈り、職人さんをねぎらう儀式です。工事前に土地の神様へ挨拶する地鎮祭とは目的が異なります。流れは棟木の取り付けからお清め、直会、地域によっては餅まきまで。近年は略式や省略も一般的で、費用や形式に決まりはありません。
形はどうあれ、棟が上がった日に作り手へ感謝を伝え、新しい家に一礼する──その心こそが、平安の昔から続く上棟式の本体です。家づくりの折には、あなたらしい形で節目を祝ってみてください。




