絵馬の書き方と例文 名前は書く?由来は本物の馬だった 奉納の作法から痛絵馬まで解説

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神社の境内に、願いごとを書いた木の板がずらりと並ぶ光景──絵馬(えま)は、合格祈願や安産祈願など、日本人の「お願いごと」の定番です。しかし、なぜ木の板に「馬」の絵なのか、名前や住所は書くべきなのか、正しい書き方があるのか、意外と知られていません。
この記事では、絵馬の由来(本物の馬を奉納していた驚きの歴史)、書き方と例文、名前・住所の扱い、奉納の作法、持ち帰ってもよいのかまで、わかりやすく解説します。
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絵馬とは?由来は「本物の馬」の奉納
絵馬のルーツは、神様に本物の馬を奉納する古代の風習にあります。馬は神様の乗り物「神馬(しんめ)」とされ、祈願の際に生きた馬を献上するのが最高の捧げものでした。雨乞いには黒い馬を、晴れを願うときには白い馬を奉納したという記録も残っています。
しかし、生きた馬の奉納は庶民にはとても手が届きません。そこで、木や土で作った馬の像、さらには板に描いた馬の絵で代用するようになりました。これが「絵馬」の始まりです。奈良時代の遺跡からはすでに馬を描いた木板が出土しており、少なくとも1,300年以上の歴史を持つ風習ということになります。江戸時代には馬以外の絵柄も増え、庶民が小さな絵馬に個人の願いを書く現在のスタイルが定着しました。
今も大きな神社に「神馬舎」があったり、白馬の像が置かれていたりするのは、この歴史の名残です。絵馬とは、いわば「神様への捧げものの民主化」の産物なのです。
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絵馬の書き方、基本の作法
絵馬の書き方に厳密な決まりはありませんが、一般的な作法をまとめます。
| 項目 | 作法の目安 |
|---|---|
| 書く面 | 絵柄のない裏面(無地の面)に書く |
| 筆記具 | 油性ペンがおすすめ。雨で滲まない |
| 願いごと | 「〜しますように」でも「〜する」という宣言形でもよい。1枚に1つの願いが基本 |
| 名前 | 本来はフルネーム+住所。現代は個人情報に配慮し、イニシャルや名前だけ、「東京都 K.T」などでも問題ない |
| 日付 | 奉納した年月日を書き添えるとより丁寧 |
名前と住所を書く伝統は、「どこの誰の願いか」を神様に届けるためのものです。とはいえ、誰でも読める場所に掲げられる以上、現代では個人情報への配慮が優先されます。フルネームや住所まで書くことは最近では控えた方が良いという考え方の人が増えています。
「病気が治りますように」や「○○大学に合格できますように」などと絵馬に書いて、フルネームや住所まで書いてしまっていると、知ってる人が見た時に色々想像してしまいますし、神社に来て悪い人は少ないと思いますが住所を不正な利用をしてて詐欺に利用したりする可能性もあります。
多くの神社が「名前はイニシャルでも構いません」と案内しており、神様は書き手をご存じと考えれば省略しても失礼にはあたりません。個人情報保護シールを用意している神社もあります。
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願いごとの例文
書き方に迷ったときのために、願意別の例文を紹介します。
ポイントは、具体的に書くことと、「〜できますように」と願うだけでなく「自分も努力します」という誓いの気持ちを添えることです。神道の祈りは本来、神様への一方的なお願いではなく、自らの決意を神前で言葉にする「誓い」の側面を持っています。言葉にした願いは言霊となって自分自身を動かす──絵馬は、書く人自身の背中を押す仕掛けでもあるのです。
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絵馬はいつ・どこに奉納する?持ち帰ってもいい?
絵馬は、書いたらその神社の絵馬掛け(絵馬掛所)に掛けて奉納するのが基本です。願いが神様に届くよう、境内に留めておくという考え方です。奉納の時期に決まりはなく、思い立ったときがお参りどきです。
一方で、絵馬を持ち帰るのも間違いではありません。記念やお守り代わりに自宅に飾る場合は、神棚や目線より高い清浄な場所に置くとよいでしょう。また、願いが叶ったら、お礼参りをして「叶いました、ありがとうございました」というお礼の絵馬を奉納するのが丁寧な作法です。願いっぱなしにせず感謝で締めくくる──これは日本の祈りの文化の美しいところだと思います。

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個性豊かな絵馬たち──鏡絵馬から痛絵馬まで
全国には、その神社ならではのユニークな絵馬があります。京都・河合神社の「鏡絵馬」は、手鏡の形の絵馬に自分の化粧品でメイクを施して美人祈願をするもの。狛犬ならぬ狛兎の岡崎神社ではうさぎの絵馬、稲荷神社では狐の顔の絵馬に自分で表情を描き込むものもあります。
近年話題なのが、アニメの聖地となった神社に奉納される「痛絵馬(いたえま)」です。キャラクターのイラストを描き込んだ絵馬がずらりと並ぶ光景は、一見奇抜ですが、筆者はこれも立派な信仰の形だと考えています。心を込めて絵を描き、願いとともに神様に捧げる──それは絵師が腕によりをかけて馬を描いた江戸時代の絵馬と、本質的に何も変わらないからです。時代ごとの「好き」と信仰が結びついてきたのが、絵馬の歴史そのものなのです。
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筆者の考察、絵馬は「願いの見える化」の文化
絵馬掛けの前に立つと、受験、病気平癒、恋愛、家族の幸せ・・・。
見ず知らずの人々の願いがずらりと並んでいます。筆者は、この光景こそ絵馬という文化の本質だと感じています。
心の中で祈るだけなら、願いは自分だけのものです。しかし絵馬は、願いを文字にして、人の目に触れる場所に掲げます。書くことで願いが自分の中で明確になり、掲げることで「見守られている」感覚が生まれる。さらに他人の絵馬を目にすることで、「みんなそれぞれの人生を懸命に生きているのだ」という静かな連帯感さえ生まれます。神様への奉納であると同時に、願いを言葉にして自分と向き合う装置──1,300年続く絵馬は、現代の目標設定術にも通じる、先人の知恵なのかもしれません。
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まとめ
絵馬は、神様の乗り物である本物の馬(神馬)の奉納を、板に描いた馬の絵で代用したことに始まる、1,300年以上の歴史を持つ祈願の文化です。書くときは裏面に油性ペンで、1枚に1つの願いを具体的に。名前は現代ではイニシャルでも構いません。奉納は絵馬掛けへ、持ち帰る場合は清浄な場所に飾り、願いが叶ったらお礼参りを忘れずに。
次に神社を訪れたら、絵馬に願いを書いてみてください。ペンを持って自分の願いを言葉にする数分間が、思いのほか大切な時間になるはずです。





