門松とは?意味と由来、松竹梅に込められた願い 飾る時期と処分の作法まで解説

門松とは?意味と由来、松竹梅に込められた願い 飾る時期と処分の作法まで解説

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祓え給い、清め給え

お正月に玄関先で見かける門松(かどまつ)。竹を斜めに切りそろえ、松をあしらったあの飾りには、どんな意味があるのでしょうか。なぜ松なのか、なぜ竹が三本なのか、そしてなぜ左右で形が違うのか。

この記事では、門松の意味と役割、松竹梅それぞれに込められた願い、飾る時期と片付ける時期、置き方の作法、そして関東と関西で異なる形まで、わかりやすく解説します。

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門松とは?年神様が降りてくる目印

門松とは、新年に各家庭を訪れる年神様が迷わず降りてこられるようにするための目印であり、依り代です。神様が宿る場所という意味では、神社のご神木やしめ縄と同じ役割を持っています。

神様は高いところから降りてくるという考え方が、日本には古くからあります。天孫降臨の神話で神々が高千穂の峰に降り立ったように、また各地の神社が山を御神体としてきたように、天と地をつなぐ縦に伸びたものが神の通り道とされてきました。常緑の松を門口に立てるのは、その通り道を用意する行為なのです。

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なぜ松なのでしょうか

門松の主役はあくまで松です。松が選ばれた理由は、大きく三つあると考えられています。

第一に、松は一年中緑を保つ常緑樹であり、生命力と不老長寿の象徴とされたことです。冬にも枯れない姿は、途切れない命を思わせました。第二に、「松」という字が「待つ」に通じ、神様を待つ木とされたことです。言葉の響きに意味を見出す言霊の発想が、ここにも表れています。第三に、松は神が宿る木という信仰が古くからあったことです。能舞台の背景に必ず老松が描かれるのも、そこが神の降りる場所であることを示しています。

平安時代の宮中では、正月に小松を引き抜いて長寿を祈る「小松引き」という行事が行われていました。これが現在の門松の原型の一つとされています。

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竹と梅にも意味があります

門松は松竹梅で構成されることが多く、それぞれに願いが込められています。

植物込められた意味
常緑で枯れないことから、長寿と神の依り代
まっすぐ勢いよく伸びることから、成長と繁栄
寒さの中で最も早く花を咲かせることから、忍耐と開運

竹が三本組まれるのは、長さの違う竹で天・地・人を表すという説があります。中央の最も長い竹が天、次が地、短いものが人を示し、三つが揃うことで世界の調和を表すという考え方です。

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竹の切り口には二つの形があります

門松の竹の先端には、斜めに切った「そぎ」と、水平に切った「寸胴(ずんどう)」の二種類があります。

切り方特徴好まれる場所
そぎ斜めに切り、切り口が笑った口のように見える一般家庭に広く普及。縁起がよいとされる
寸胴水平に切り、竹の節が輪のように見える金融機関や商店。お金がたまるという縁起をかつぐ

そぎの形については、徳川家康にまつわる伝承が知られています。三方ヶ原の戦いで武田信玄に敗れた家康が、次は必ず斬るという決意を込めて竹を斜めに切らせたのが始まりだというものです。史実としての裏づけはありませんが、門松の形に戦国武将の悔しさが込められていると考えると、見え方が変わってきます。

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いつからいつまで飾るのでしょうか

門松を飾る時期には、避けるべき日があります。

日付扱い
十二月十三日以降正月事始めのため、いつ飾ってもよい
十二月二十八日八が末広がりで最も縁起がよいとされ、最も選ばれる
十二月二十九日二重苦に通じるため避ける
十二月三十日問題ないとされるが、キリのよい日として好む地域もある
十二月三十一日一夜飾りとなり、神様に失礼とされるため避ける

片付けるのは松の内が明けてからです。関東では一月七日、関西では一月十五日が目安になります。この違いは、江戸時代に幕府が松の内を短くする触れを出したことに由来するといわれています。

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置き方と処分の作法

門松は玄関や門の左右に一対で置きます。向かって左が雄松(おまつ)、右が雌松(めまつ)とされ、雄松には黒松、雌松には赤松を使い分ける本格的な作りもあります。竹の長さも左右で組み方が異なり、外側に長い竹が来るように配置するのが一般的です。

近年の住宅事情では、玄関ドアに掛ける小さな門松飾りや、玄関脇に置くミニサイズのものも多く使われています。形式より、年神様をお迎えする気持ちが大切ですので、住まいに合った形で構いません。

片付けた門松は、一月十五日前後に神社で行われるどんど焼き(左義長)で焚き上げるのが正式な処分方法です。その煙に乗って年神様がお帰りになるとされています。間に合わない場合は、神社の古札納所に納めるか、白い紙に包み塩で清めてから処分すれば失礼にはあたりません。

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しめ縄や鏡餅との違い

正月飾りは三点そろって意味を成します。役割の違いを整理しておきましょう。

飾り役割置く場所
門松年神様が降りてくる目印・依り代玄関の外、門の左右
しめ縄・しめ飾りここが清浄な神域であることを示す結界玄関、神棚、水回りなど
鏡餅年神様が宿る場所であり、お供え物床の間、神棚、居間

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筆者の考察

門松について調べていて興味深いのは、これが家の外に立てる飾りだという点です。しめ縄も鏡餅も、基本的には家の内側や境目に置かれます。しかし門松だけは、通りに面した場所に堂々と立てられます。

つまり門松は、神様への目印であると同時に、ご近所や通りがかりの人に対する意思表示でもあったのでしょう。この家は新年を迎える準備を整えました、という宣言です。かつての町や村では、門松が並ぶ通りの景色そのものが、共同体で新年を迎えるという実感を生んでいたはずです。

近年は門松を立てる家がめっきり減りました。しかし、小さな玄関飾りでも構いません。目に見える形で新年を迎える準備をすることには、気持ちを切り替える確かな力があります。今年の年末は、門口に小さな松を置いてみてはいかがでしょうか。

まとめ

門松は、新年に訪れる年神様が迷わず降りてこられるようにするための目印であり依り代です。常緑で枯れない松は長寿と神の宿る木を、竹は成長を、梅は忍耐と開運を表します。竹の切り口には斜めのそぎと水平の寸胴があり、そぎには徳川家康にまつわる伝承も残ります。

飾るのは十二月十三日以降、二十八日が最もよいとされ、二十九日と三十一日は避けます。片付けは松の内明け、処分はどんど焼きで焚き上げるのが正式です。しめ縄が結界、鏡餅が依り代であるのに対し、門松は神様を呼ぶ目印。三つが揃って、お正月の準備は完成します。

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日本神話と歴史
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