八卦とは?8つの読み方と意味の一覧|鬼門が北東になる理由と覚え方

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家相で北東が鬼門とされる理由は、八卦をたどると分かります。
北東にあたる卦は艮(ごん)で、山を意味します。動かないもの、止まるものを表す卦です。そして十二支では丑と寅のあいだ、方位の名で言えば丑寅です。この丑寅という読みが「鬼門」という言い方に結びついていきました。
このページでは、8つの卦の読み方と意味を一覧で確認し、陰陽から八卦が生まれる仕組み、先天図と後天図の違い、家相と風水での使い方、そして「当たるも八卦」の由来までを整理します。
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八卦とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み | はっけ。はっかとも読みます |
| 何か | 陰と陽の線を3本組み合わせた、8通りの記号です |
| 作った人 | 伝説では伏羲(ふっき)が黄河に現れた図から得たとされます |
| 使われる場面 | 易経の六十四卦、家相、風水、方位の判断 |
| 陽の線 | 陽爻(ようこう)。切れ目のない一本の線で表します |
| 陰の線 | 陰爻(いんこう)。中央が切れた線で表します |
線を3本重ねるので、組み合わせは2の3乗で8通りになります。これが八卦です。
八卦の読み方と意味の一覧
| 卦 | 読み | 自然 | 性質 | 方位(後天図) | 家族 |
|---|---|---|---|---|---|
| 乾 | けん | 天 | 剛健、始める力 | 北西 | 父 |
| 兌 | だ | 沢 | よろこび、口 | 西 | 末娘 |
| 離 | り | 火 | 明るさ、離れる | 南 | 次女 |
| 震 | しん | 雷 | 動き、奮い立つ | 東 | 長男 |
| 巽 | そん | 風 | 入る、従う | 南東 | 長女 |
| 坎 | かん | 水 | 陥る、難しさ | 北 | 次男 |
| 艮 | ごん | 山 | 止まる、動かない | 北東 | 末男 |
| 坤 | こん | 地 | 受け入れる、従順 | 南西 | 母 |
覚え方として古くから使われるのが「乾三連(けんさんれん)、坤六断(こんろくだん)、震仰盂(しんぎょうう)、艮覆椀(ごんふくわん)、離中虚(りちゅうきょ)、坎中満(かんちゅうまん)、兌上欠(だじょうけつ)、巽下断(そんかだん)」という唱え方です。線の形を言葉で言い表したものです。
たとえば乾三連は、3本すべてが切れ目のない線という意味です。坤六断は、3本すべてが中央で切れているため切れ目が6つあるという意味になります。
陰陽から八卦が生まれる仕組み

八卦は、1本の線から2倍ずつ分かれて生まれます。
| 段階 | 名称 | 数 |
|---|---|---|
| 0 | 太極(たいきょく)。すべての源です | 1 |
| 1 | 両儀(りょうぎ)。陰と陽に分かれます | 2 |
| 2 | 四象(ししょう)。線が2本になります | 4 |
| 3 | 八卦。線が3本になります | 8 |
| 6 | 六十四卦。八卦を2つ重ねます | 64 |
この仕組みが、のちに二進法との類似として注目されました。陰を0、陽を1とすれば、八卦は3桁の二進数そのものです。ライプニッツが易の図を知って二進法との符合に驚いたという逸話が伝わっています。

先天図と後天図の違い
八卦を円形に並べた図が2種類あります。並び順が違い、使う場面も違います。
| 項目 | 先天図 | 後天図 |
|---|---|---|
| 別名 | 伏羲八卦図 | 文王八卦図 |
| 並べ方 | 対になる卦が向かい合います。乾と坤、離と坎が正対します | 方位と季節に対応させて並べます |
| 表すもの | 宇宙の構造、本来のあるべき姿 | 現実の変化、時間と方位の移り変わり |
| 使う場面 | 思想や原理の説明 | 家相、風水、方位の判断 |
家相や風水で方位を見るときに使うのは後天図です。上の一覧表に挙げた方位も後天図のものです。
先天図は対称性が美しく、原理の説明に向きます。後天図は対称性を崩して現実の季節の巡りに合わせています。同じ8つの記号を、理想の配置と現実の配置という2通りで並べ分けているわけです。
鬼門はなぜ北東なのか
家相で北東を鬼門、南西を裏鬼門として避ける考え方があります。この理由は一つではなく、いくつかの筋が重なっています。
| 筋 | 内容 |
|---|---|
| 八卦 | 北東は艮の方位です。止まる、動かないという性質が、気の流れが滞る方角という理解につながりました |
| 十二支 | 北東は丑と寅のあいだで、丑寅と呼びます。鬼の姿が牛の角と虎の皮で描かれるのは、この方位の名に由来します |
| 陰陽の境 | 北東は陰が極まって陽に転じる位置にあたります。境目は不安定とされました |
| 中国の典籍 | 『山海経』などに、鬼の出入りする門を東北とする記述があります |
| 日本の都市計画 | 平安京の北東に延暦寺、江戸の北東に寛永寺が置かれました。鬼門を守る配置とされます |
鬼が牛の角を持ち虎の毛皮をまとっているという姿は、この丑寅から逆算して作られたものです。方位の名前が、鬼の見た目を決めたことになります。
なお、家相で北東を避ける実務上の理由も指摘されています。日本では北東が日当たりに乏しく、湿気がこもりやすい方角です。台所や水回りを置くと衛生の問題が出やすくなります。この経験が吉凶の説明と重なっていったという見方です。
家相と風水での使い方
| 方位 | 卦 | 関わるとされる事柄 |
|---|---|---|
| 北 | 坎(水) | 蓄える、流れ。水回りとの相性が語られます |
| 北東 | 艮(山) | 変化の始まり、蓄積。鬼門として扱われます |
| 東 | 震(雷) | 発展、成長。若い世代に結びつけられます |
| 南東 | 巽(風) | 人の縁、情報の出入り |
| 南 | 離(火) | 名声、明るみに出ること |
| 南西 | 坤(地) | 家庭、受け入れる働き。裏鬼門として扱われます |
| 西 | 兌(沢) | よろこび、金銭、口に関わること |
| 北西 | 乾(天) | 主人、統括する働き |
風水はもともと墓や都の立地を選ぶ技術でした。水の流れと山の形を読み、気の通り道を判断します。八卦はその判断に方位の意味づけを与える道具として使われます。
「当たるも八卦当たらぬも八卦」の由来
この言い回しは、占いには当たることも外れることもあるという意味で使われます。ここでの八卦は、八卦を用いた占いそのものを指しています。
ただし、八卦や易の立場から見ると、この言い方は少しずれています。八卦が示すのは結果の予言ではなく、今がどういう状況にあたるかという見立てです。
艮の卦が出たなら、止まるときだと読みます。震の卦が出たなら、動くときだと読みます。当たるか外れるかを後から判定する性質のものではありません。

筆者の考察
八卦の設計でいちばん感心するのは、8つしか作らなかったことです。
線を4本重ねれば16通り、5本なら32通りになります。細かく分ければ、それだけ精密な分類ができるはずです。それでも3本で止めました。
理由は、8つなら人が覚えて使えるからだと筆者は考えます。天、沢、火、雷、風、水、山、地。身のまわりの自然をちょうど言い分けられる数です。これを超えると、専門家しか扱えなくなります。
そして八卦を2つ重ねて六十四卦にするという拡張のやり方も巧みです。新しい記号を覚える必要がなく、8つを知っていれば64が読めます。覚える数を増やさずに表現の幅を広げています。
鬼門の話も同じことです。北東という方位に艮という卦を割り当て、丑寅という名を与えた。方位に名前と性格がつくと、人はそれを覚えて使えるようになります。鬼が牛の角と虎の皮で描かれるようになったのは、人が方位を覚えるために顔をつけた結果です。
吉凶を信じるかどうかは別として、世界を8つに切り分けて名前と性格を与えるという整理のしかた自体は、3000年使われ続けるだけの出来があると思います。
よくある質問
八卦の読み方を教えてください
乾(けん)、兌(だ)、離(り)、震(しん)、巽(そん)、坎(かん)、艮(ごん)、坤(こん)です。八卦そのものは「はっけ」または「はっか」と読みます。
八卦と易経はどう違うのですか
八卦は3本の線で作る8つの記号です。易経は八卦を2つ重ねた六十四卦に説明をつけた書物です。八卦は部品、易経はそれを使った体系にあたります。
鬼門はなぜ北東なのですか
北東は八卦の艮にあたり、止まる、滞るという性質を持つ方位です。十二支では丑寅にあたり、この名が鬼の姿に牛の角と虎の皮を与えました。日当たりと湿気の実務的な問題も指摘されています。
先天図と後天図はどう使い分けますか
家相や風水で方位を見るときは後天図を使います。先天図は宇宙の構造や原理を説明する場面で用いられます。
八卦の覚え方はありますか
「乾三連、坤六断、震仰盂、艮覆椀、離中虚、坎中満、兌上欠、巽下断」という唱え方があります。それぞれ線の形を言葉で言い表したものです。
「当たるも八卦」とはどういう意味ですか
占いには当たることも外れることもある、という意味です。ここでの八卦は八卦を用いた占いを指します。ただし易の立場では、八卦は結果の予言ではなく状況の見立てとして使われます。
まとめ
八卦は陰陽の線を3本組み合わせた8つの記号です。乾は天、兌は沢、離は火、震は雷、巽は風、坎は水、艮は山、坤は地を表します。
家相や風水で使うのは後天図の並びです。北東が鬼門とされるのは、そこが艮の方位であり、十二支で丑寅にあたるためです。鬼の姿が牛の角と虎の皮になったのは、この方位の名から逆算されたものでした。
そして八卦は8つで止めてあります。覚えられる数に抑え、2つ重ねることで64に広げる。この設計のおかげで、3000年にわたって専門家以外にも使われ続けてきました。




