天照大御神とはどんな神様なのか?引きこもりになった神話も

天照大御神は日本神話において最も重要な神様の一柱とされ、その名前は「天を照らす大御神」という意味を持ちます。この神様は太陽神として、豊かな収穫や平和、繁栄をもたらす存在として崇拝されています。

天照大御神とは

天照大御神は、日本神話において宇宙の調和と秩序を保つ最高神とされます。

天照大御神の読み方は「あまてらすおおみかみ」です。彼女は主に伊勢神宮で祀られ、古来より日本人にとって精神的な象徴としての役割を果たしています。天照大御神の物語は、古事記や日本書紀などの古典文学に詳しく述べられており、神道の信仰と日本の歴史に深く根ざしています。

天照大御神の別名や書物ごとの記述

こちらは、天照大御神の様々な呼び名がどのように使われ、どのような意味を持つかを示しています。

別名 読み方 解説
天照大神 あまてらすおおかみ 簡略化された呼び方で広く使われています。
天照大御神 あまてらすおおみかみ 尊敬を込めた表現です。
天照皇大神 あまてらすすめおおかみ 敬意を示す呼び名で、さらに尊重される形です。
おほひるめのむち おおひるめのむち 古事記に記載されている名前の一つで、太陽の光やエネルギーを象徴します。
天照 あまてらす 短縮された形で、より簡単に呼ばれることがあります。

天照大御神の性格や性別は?実在したのか

天照大御神は女性神とされ、その性格は慈悲深く、温かい光をもたらす存在とされます。物語によれば、彼女は時に厳しさを見せることもありますが、基本的には人々の幸せを願う優しい神様です。神話の中では実在の人物として描かれることはありませんが、古代日本人にとって非常にリアルな存在感を持っていたとされます。

天照大御神の両親・兄弟の神様

天照大御神の両親

天照大御神の両親は、創造神である伊邪那美神(イザナミ)と伊邪那岐神(イザナギ)です。これらの神々は日本の神話において宇宙の創造を行ったとされ、多くの神々を生み出しました。

天照大御神の兄弟

天照大御神の兄弟には、海の神である須佐之男命(スサノオノミコト)、月読命(ツクヨミノミコト)などがいます。これらの神々との関係は日本神話の中で重要なエピソードを形成し、特にスサノオとのエピソードは広く知られています。

天照大御神は引きこもりだった?天岩戸隠れ

天照大御神が「引きこもり」になったとされるエピソードは、彼女と弟スサノオの間に生じた争いに由来します。神話によると、スサノオは暴れん坊であり、天照大御神の平和な領域を何度も荒らしました。ある時、スサノオが暴力的な行為で天照大御神を怒らせたことにより、彼女は悲しみと恐怖から天の岩戸に隠れてしまい、外に出ることを拒んだとされます。このため、世界は闇に包まれました。この出来事は、彼女がいかに重要な太陽神であるかを示すと同時に、神々が彼女をどうしても外に出さなければならない理由を物語っています。

天照大御神と日本神話の逸話

天照大御神に関連する逸話は多岐にわたりますが、特に有名なのが「天岩戸隠れ」です。天岩戸に隠れた天照大御神を外に出すため、他の神々は様々な策を講じます。その中で、ウズメという神が舞いを舞うことで他の神々を楽しませ、その様子に興味を持った天照大御神が岩戸から顔を出し、最終的には完全に外に出ることに成功しました。このエピソードは、危機的な状況でも協力と知恵で困難を乗り越えることができるという教訓を含んでいます。

西洋の神様というのは全知全能でネガティブなところがないということが多いですが、日本神話では天照大御神やスサノオノミコトなど、非常に人間らしさや感情の起伏を感じさせるエピソードがあり、日本人にとって神様がとても身近に感じる理由の一つだと思います。

「天岩戸隠れ」に関しての詳しい神話の内容や場所などは以下の記事で紹介しています。

天岩戸隠れ

天照大御神と卑弥呼は同一人物だったのか?

天照大御神と卑弥呼が同一人物であるという説には、いくつかの理由が挙げられますが、この考えは主に神話と歴史の間の類似点や時代的一致に基づいています。あくまでも歴史的あん共通点からの考察ですが、その説が成り立つかもしれない理由を以下の記事で説明します。

天照大御神は男性だった可能性

天照大御神は女性の神であるということが通説となっていますが、40代目天武天皇、41代目持統天皇の時代に、女性天皇としての権威を保つために、男性として語り継がれてきた天照大御神を女性に置き換えて日本書紀を編集したという説もあります。

天照大御神と天皇の関係

天照大御神は日本の天皇家と密接な関係があります。伝承によると、天照大御神は天皇家の祖先とされ、天皇は彼女の直系の子孫であるとされています。これにより、天皇は「天孫」としてこの世における神の代理人と見なされ、神聖な存在としての地位を確立しました。この信仰は、天皇家に対する敬意と権威を強化し、日本の国家と社会の基盤となっています。

天照大御神は何の神様・ご利益

天照大御神は太陽を司る神様として、明るさ、繁栄、豊作、平和を象徴しています。彼女を祀ることで、信者は豊かな収穫や家族の安泰、国の平和を祈願します。特に伊勢神宮では、天照大御神を中心に様々な祭事が行われ、多くの参拝者がこれらのご利益を求めて訪れます。

天照大御神を祀る神社は伊勢神宮など

伊勢神宮 宇治橋鳥居

天照大御神を祀る最も重要な神社は伊勢神宮で、特に内宮(皇大神宮)が彼女を主祭神としています。伊勢神宮は日本全国から多くの参拝者が訪れる場所であり、神道信仰の中心地とされています。また、全国には天照大御神を祀る他の神社も存在し、それぞれに地域社会の守護としての役割を果たしています。

このように天照大御神は、日本神話だけでなく、現代日本の文化や宗教においても中心的な存在であり続けています。その神話や教えは、日本人の生活や価値観に深く影響を与えています。